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切経

平成17年6月 東洋はり医学会・柳下先生講義より

患者は、悪いところ、肩とか膝を触ってもらいたがるものである。しかし患者の気持ちと術者の気持ちは違うのである。患者は悪いところを診てもらっていると考えるが治療家は「どの経絡の流注に痛みがあるか?緊張しているか?虚しているか?」を考えながら触るのでなければならない。これが証を立てる上で役に立つ。経絡の流注に何かありはしないか?と観察する。手の方であれば「五里、ひじゅ、肩ぐう、肩貞、へい風、肩中ゆ、じゅ会」などを診ながら観察する。膝で言えば脾経の通り、腎経、膀胱、肝経、胆経とこれらの通りを観察しながら診る。

圧痛点とか擦診痛はもっとも初歩的な方法です。我々は初歩的なものを目当てにしてはいけない。まず悪いところを触る場合、証といかに結びつくかの観察法、あるいは証に従う変化が出ているかどうか、というような観察の仕方でなければいけない。

経絡にそった蝕感、体温、圧痛、硬結、動悸、陥下、知覚過敏、緊張、弛緩などを観察しなければならない。経絡にそった場所に血絡があるか、あるいは湿疹、皮膚炎などがあるとしたらこれも加える。痛みや痺れ知覚過敏は患者の口を借りなければわからない。

術者の主体性をもった切経による観察が大事である。胆経や大腸経、膀胱経にはよく血絡がいくつもある場合がある。湿疹や皮膚炎も経絡に従うことがある。これは診断にも治療にも役に立つのである。緊張や弛緩も術者の判断である。冷えも経絡に沿った場合がある。膝から下の熱い経絡や冷たい経絡もあるが足は大腿の方が温度の反応ははっきり出ている。例えば肝経の通りが冷たい、腎経の通りが冷たい、という例がよくある。湿疹や皮膚炎も手足の肘から先、膝から下というだけでなく大腿部、上腕にも経絡にそってできていることがよくある。腎経の陰谷がぽこっと凹んでいてその中に垢が溜まったような状態、つまり邪が客している人もいる。これはあきらかに腎の変動で虚になるか実になるかは別ですが目安になります。硬結もいくつもの経絡にそった幅の広いのもあれば皮膚にも広斑というような脾経と腎経にまたがるような場合もあれば胃経胆経にまたがる場合もある。陥下というのはありそうであまりない。脾経の場合太白、公孫が溝のように変化している場合や脛骨の裏が急に凹んでいる場合もある。経絡を切経することで大きな手がかりになります。

そういうものが何の役に立つかでありますが診断だけでなく治療にも役に立つのです。例えば経絡にそって血絡があったら敏感な人だと血絡に知熱灸を据える。本人が熱いとか暖かいという以前に取る。3分の1か半分くらいで取ると血絡の色が変わる。あるいは血絡の周りの色が変わってくる。触ると水気がなくて堅い湿疹は邪が客している。そういうのは中々変化しない。しかしみずみずしくてまだ色が赤っぽい湿疹の場合は今のような知熱灸の2~3壮で周りの様子が変わる。うまくいけばその湿疹がなくなる。これは治療に効果的です。皮膚炎もその通りです。ツボに的中している場合は余計に効果があがる。例えば胃経の下巨虚、豊隆あたりにあれば確実に良い。その近所の三里、上巨虚、条口、下巨虚、といく線上にある、あるいは豊隆の線上にそういうのがあればそこを選んだ方が効果的です。

例えば親指の先くらいの灸に火を入れ、それがまだ3分の1くらいの時に六部定位脉診で脈状を診ていると脈が沈む、締まる、遅になる、虚が正実になるということが確実におこる。そうしたらそれが限界なので知熱灸を取る。取って1呼吸か2呼吸おくと脈が戻る場合はもう1壮する。すると脈状が良いものになる。脈状がまた崩れるなら3壮する。そんな風にして知熱灸の治療量を決めながら術者の判断でやっていく。

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